スクールソーシャルワーカー、なんで素晴らしい仕事なんだ。
「チャイルドプア」という本を読んでいます。Kindle Unlimitedで読み放題だったので読んでみたのですが、これがすごく良い本。
今日はランニングしながら、iPhoneの読み上げ機能を使って、音読を聞いていました。聞きながら、途中感動して、泣いてしまいました。はたから見たらだいぶ怪しい感じだったと思います。
感動したというのは、以下のストーリーを聞いたとき。
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両親が離婚し、母親に引き取られたひろこさん。ひろこさんは3人兄弟の長女。母親は3人の子供を養うために朝から晩までパートを掛け持ちしており、常にイライラしていた。
ひろこさんは中学生になり、学校で嫌なことがある日もあった。けど、母親にそれを打ち明けたところで、母親はそれを聞いてくれるような余裕はない。ひろこさんは自分で悩みを抱え込むようになった。
そのうち、学校に通えなくなり、引きこもりに。うつ症状も発症。母親にも「何で生んだの?生まれてこなければ、こんな思いしなくて済んだのに!」と当たり散らすように。
そんな中、スクールソーシャルワーカーさんが、ひろこさんの担当になった。この人は、ひろこさんと近所の公園で雑談するところから始め、徐々にひろこさんと打ち解けていった。
ひろこさんも、すぐに「学校に行きなさい」とか言わずに、どんな話でも受け止めてくれるスクールソーシャルワーカーさんに心を開くようになった。
スクールソーシャルワーカーさんは、ひろ子さんに、週1でやっている学習教室に行ってみることを勧めた。いきなり中学校に復帰するのは難しいので、まずは週1のところから。
ひろ子さんも素直にそれに従った。週1の学習教室にはひろ子さんと似た境遇の同世代の人もいて、ひろ子さんにとって居心地の良い場所になった。
完全に社会との接点が絶たれていたひろ子さんだったが、スクールソーシャルワーカーさんの計らいで、徐々に社会との接点ができてきた。
その後、スクールソーシャルワーカーさんはひろ子さんに、通信制の高校に入ることを勧める。通信制であれば通学は週に1度で良く、普段は家で課題をこなせば良い。学費もそれほど高くない。不登校のひろ子さんにも、またひろ子さんの母親にも受け入れやすかった。
ひろ子さんは高校生になり、最初こそ順調に過ごしていたものの、徐々に勉強についていけなくなり、学校に行くのが辛くなる。
スクールソーシャルワーカーさんは、ひろ子さんが通信制の高校に合格した時点で任務は完了しているのだが、そこで関係を切らさずに、ひろ子さんと連絡を取り合い続けていた。
その中で、スクールソーシャルワーカーさんは、ひろ子さんから通信制高校の悩みを聞く。そこで、スクールソーシャルワーカーさんは、また週1で福祉関係の人やボランティアの人などが集まる「たまり場」のような場所を紹介した。
そこでは、多様な大人たちが、子供と雑談したり、子供に勉強を教えたりしてくれる場だ。
最初こそ緊張していたひろ子さんだったが、こちらでも似た境遇の友人たちと知り合うことができ、また優しい大人たちと出会うことができたことで、非常に居心地の良い場所になった。
勉強も教えてもらったことで、ついていけるようになった。
いまひろ子さんは高校3年生。ひろ子さんには夢がある。それはスクールソーシャルワーカーになることだ。
ひろ子さんと同じような境遇の子供たちの力になりたいのだという。
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ここまで読んで、本当に感動して、泣けてきた。
感動ポイントは以下。
・スクールソーシャルワーカーさんが、ひろ子さんと粘り強く関係づくりをし、ひろ子さんのためになるアドバイスをしっかりしていたこと
・ひろ子さんが徐々に状況を好転させることができたこと
・ひろ子さんが自分の境遇と同じ人の力になりたいという思いで、スクールソーシャルワーカーになることを夢見ていること
スクールソーシャルワーカーさんがいなければ、ひろ子さんは辛い境遇から脱することができなかったかもしれない。
スクールソーシャルワーカー、なんて重要な仕事なんだ。そして、なんて尊い仕事なんだ。と思った。
生きる気力を失った子供に、生きる希望を取り戻させる仕事。
素晴らし過ぎる。