子どもの可能性を開くには、たっぷり手間をかける必要がある。
「子どもの貧困」系の本を読んで感じたこと。それは、「子どもの可能性を開くには、たっぷり手間と時間をかける必要がある」ということ。
元々は、「『貧困』の解決なら、金を渡せば解決するのでは?」と思っていた自分もいた。ただ、いろんな事例を見るにつけ、そんなに簡単に貧困が解決するわけでは無いことに気付いた。
子どもの貧困は、親の貧困
貧困状態にある子どもは、複雑な家庭環境で育っていることが多い。子どもの経済環境は親に依存する。子どもの貧困というのは、親の貧困なのだ。
ではなぜ親が貧困になってしまっているのか。いろんな要因があるが、よくある事例を列挙してみる。
・母子家庭で母親はパートを掛け持ちしているが貧しい
・親にギャンブル癖あり。もらった金をすぐ使いこむ
・親が自己破産。その後も真面目に働かない
・親がうつ状態になり、自殺。祖父母に引き取られるも、年金生活で貧しい
親の貧困を解決するには時間がかかる
こんな感じだ。「母子家庭で母親はパートを掛け持ちしているが貧しい」というケースであれば、お金を渡せばある程度は解決するかもしれない。
ただ、「親にギャンブル癖あり」の場合は、金を渡してもギャンブルに使いこまれてしまう可能性が高く、貧困の解決につながらない。
なので、このようなケースでは、親から子どもを引き離すために粘り強く家庭訪問したり、行政や関係機関と連携して事に当たる、といったことをする必要がある。
子どもの心の問題も要ケア
また、子どもは経済的に恵まれない状況にあると、自信を失って不登校になったり、コミュニケーション能力が低下したり、うつになったりと「心の問題」を抱えてしまうことも多い。
この「心の問題」をケアするには、スクールソーシャルワーカーのような人が、時間をかけて子どもに接し、心を開いてもらい、一歩ずつ、行動をしてもらう必要がある。
子どもの貧困の問題は個別具体的に解決していく必要あり
このように、子どもの貧困を取り巻く環境は千差万別であり、個別具体的に対策を立案し、時間と手間をかけて解決を目指していく必要がある。
「こんな仕組みを作れば、日本中の子どもの貧困は一発解決!」といった解決策は見当たらず、一つ一つのケースに粘り強く当たっていくしかないと思われる。
所感:仕組みを作りたい
(ここからは僕の所感になるが)とはいえ、自分がスクールソーシャルワーカーになろうかというと、それよりは、何か”仕組み”を作って、現状が好転するような動きができないかな、と考えている。少しでも大きなインパクトを残したい、という思いが自分の中にはあるようだ。